1.学科としての教育改善の報告
(1)アンケート分析結果
2020年度後期の授業改善アンケートの自由意見から,コロナ禍のオンライン授業,あるいは,ハイブリッド授業に対する学生の意見としては概ね良い評価が得られた.しかし,一部の学生から科目の到達目標を無視した意見や予習・復習時間に関する主観的な意見があった.さらに,学習を作業に置き換えて受講している学生がおり,不満を述べていた.このような不満を述べる学生は,1~3年生に幅広く存在し,高校までの勉強の仕方から脱却できていないか,学習障害のために苦しんでいる可能性が考えられる.このような学生には学生相談室の利用を促し,教育プログラム理解の支援を更に進める必要があると考えられる.一方,評価できる点としては,一部の学生が主体的に科目の相関を意識して学んでいることが確認できたと共に,多くの学生が授業に満足していることが挙げられる.
(2)アンケート公開方法
例年通り,機械工学科のHPに本報告結果と学生からの自由意見への回答を掲載する.
(3)学科の教育改善検討会議の概要報告
大学の方針に沿って教育改善を進めたことで,学生が科目の相関を意識して学び始めたことが確認された.一方,授業改善アンケートでは,教育プログラムを理解できていない学生から授業の進め方や科目担当者に対する不満に関する記述もみられ,対応が求められる.
(4)学科の教育改善の具体策
大学の方針に沿って,授業内容の共有など教育改善を進めているが,教育プログラムや学修の進め方を理解できていない学生からの不満が確認されている.対策として入学時または各学期の担任ガイダンスで4ポリシーの更なる周知を行う予定である.
(5)大学としての教育改善について
学科の教育プログラムおよび大学での学び方を学生に説明しているが,学びの主体性を維持できないことからSD-PBL等の協働科目や実験・演習科目へのスムーズな参加が難しく,授業の進め方に対して不満を持っている学生が各学年に一定数存在しているように思われる.これまで,学習障害の傾向が見られる学生に対しては,科目担当者やクラス担任から学生相談室の利用を促す等の支援を行なっているが,上述の様な主体的に学ぶことが不得意な学生が他学科にも一定数存在する場合は,全学的なフォロー体制を整えることも議論する必要があると考えられる.